頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性(機能性)頭痛と、脳腫瘍やクモ膜下出血などの病気から由来する二次性(徴候性)頭痛があります。ここでは、一次性頭痛の方について述べていきます。
日本成人の約8%が苦しめられている片頭痛。女性に多いのが特徴で、男性の約4倍といわれています。血管の拡張が原因で片頭痛はこうして起こるものです。
片頭痛は、こめかみにある浅側頭動脈や脳の血管が拡張し、血管周囲の神経である三叉神経が刺激されて頭痛が起こると考えられます。
この血管の収縮や拡張には、体のなかで作られる生理活性物質の一種、セロトニンが大きく関わっています。ストレスなどの原因で、血液の中にある血小板からセロトニンが過剰に放出されると、セロトニンの血液中の濃度が高くなって脳の血管が収縮します。通常は血液中のセロトニンは血小板に再び取りこまれますが、片頭痛発作の時はうまく取りこまれず分解されて尿中に排泄されます。すると今度は、血管内のセロトニンが不足して、反動で血管が拡張します。
また、ミネラルに含まれているマグネシウムには血管収縮を起こす「血小板の凝集」を抑制する効果もあります。ですから、マグネシウムが不足すると、ちょっとしたストレスなどで血小板が凝集して血管が収縮し、その結果、片頭痛が引き起こされるのです。400mgのマグネシウムを毎日摂取すれば、3週間から4週間後に片頭痛の頻度が減ると言われています。
マグネシウムを服用する上での注意として、片頭痛の予防のためには1日あたり200‐600mgを目安に摂りましょう。食品ですと納豆(100mg/100g)、ごま(350mg /100g)、黒豆(220mg/100g)、干しひじき(540mg/100g) に多く含まれます。これらの食品を意識して摂るようにしましょう。足りない分はサプリメントで補うといいでしょう。
片頭痛を誘発するワイン、チョコレート、コーヒー、チーズは控えましょう。赤ワインはヒスタミンという血管を拡張させる物質が多く含まれています。チョコレートはチラミン、コーヒーはカフェインという血管を収縮させる物質が多く含まれており、これらが切れたときに片頭痛がおこります。チーズはヒスタミン、チラミンともに多く含まれています。
緊張型頭痛の原因は、肩こりや首のこりから来るので長時間同じ姿勢をしていると起きやすくなります。また、心因性の場合も考えられるのでストレスが原因である場合もあります。
鍼治療により、このような頭痛の予防/軽減/消失が可能です。
このような患者さんの多くに強い肩や首の凝りが認められ、それを鍼で充分にほぐしますと、頭痛の頻度が極端に減少したり、中には全く頭痛から解放されたと言う人もいます。
長期に渡る頭痛薬の服用は、副作用の心配もありますし、だんだん薬が効きにくくなって薬の量が増えてしまう場合もありますので、このような頭痛でお悩みの方は是非鍼治療をお試し下さい。
但し頭痛の原因はさまざまで、中には重大な疾病が潜んでいる事もありますので、頑固な頭痛や、いつもと違う激しい頭痛がある時などは一度専門医に診てもらう事をお薦めします。