交通事故の後遺症で最も多いのは、むち打ち損傷だと思われます。
むちうち損傷 車に乗っていて後方から追突されると、からだは前方に加速されますが、頭は残るため、首は強くそり返りその反動で前に曲がります。また正面衝突では、はじめ首が前に強く曲がりその後そり返ります。この動きが鞭の動きに似ているので、「むちうち」という名がつけられました。しかし、医学的には正式な病名ではありません。病名としては、「頚椎捻挫」「頚部挫傷」「外傷性頚部症候群」などが使われます。
首が強制的に前後に曲げられることにより、首の骨の周囲にある靭帯や神経根が引き伸ばされ、関節にはずれの力が加わります。この力により靭帯の部分断裂が起こり、周囲の組織に浮腫が出現します。多くの場合この変化はレントゲン写真やMRIなどの検査ではわかりません。もちろん、骨がはがれたりつぶれたり、関節がずれたりすれば別です。
症状は、首や背中の痛み、頭痛、吐き気やめまい、上肢のしびれなどです。事故に遭った直後はあまり痛みを感じないで、翌日に症状が出ることがよくあります。また長引くと頭が重い、目がつかれる、なんとなくだるい、腰が重いなどの自律神経失調でみられる症状があらわれることもあります。症状の程度や続く期間は、必ずしも事故の大きさと一致するものではありません。
交通事故では、「過失の割合」「相手との人間関係」「仕事や学業の問題」「補償問題」など、けがとは別の複雑な事情がからんできます。事故にあったときから、それまで経験したことのない解決しなければならないことが、いろいろ出てきます。また症状が長引いた場合、精神的に不安定になったり落込んだりすることもあります。自分で「治る」、「治す」という強い気持ちを持ちつづけることが大切です。
発症したら我慢せずに、なるべく早い段階から鍼治療を開始すると症状の波及を防ぎ、寛解までの期間を短縮する事ができます。
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