自律神経失調症

初筆2003年10月26日
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自律神経には、交感神経と副交感神経があり、両者が互いに拮抗しながらバランスを保って全身の血管や臓器、筋肉などの働きを調節しています。

しかし、精神的或いは物理的なストレスにより、このバランスが崩れ、冷えやのぼせ、動悸、倦怠感、めまい、肩こり、便秘、下痢など非常にさまざまな症状を呈して来る場合があります。

この中で、最も多く見られるのが交感神経が過剰に緊張した状態が続く事で、頭痛や肩こり、食欲不振、動悸、不眠などの症状を示しているものです。

このような場合には、肩や首、背中の筋肉の緊張を鍼治療で緩める事で、逆に交感神経の緊張をほぐす効果が得られ、症状が改善されて行きます。

また、自律神経性のめまいには、側頭部(こめかみ)の治療を加える事で、更に効果が増す事が多く、胃腸症状に対しては、腹部の治療を加える事で、症状が激的に好転した例もあります。

とにかく、この病気は、訴えがさまざまですので、その時、その人に合った治療点を見い出し、適量の刺激を与える事で、徐々に症状が軽減、消失して行きます。

この病気の苦痛は、なかなか他人には理解してもらえないので、一層本人の苦悩が増して行く事が多く、鍼治療で症状が軽減、消失すると、見違えるように元気になり、社会生活や家庭生活が円満に過ごせるようになります。